パレイドリア

ナラティブ

人は変わった形の石や木や、偶然できたシミ等の形に、これは魚に似ているとか、竜に似ているとか、空想します。このように偶然にできた無意味な形に意味を見出す現象を、心理学や認知科学では「パレイドリア」と言います。とても人間的な現象だと思います。人は環境の中からパターンを見つけるように進化したと言われています。これは生存に有利だったためです。例えば森の中で敵や獲物を素早く見分ける必要があったためです。また人は世界を理解しようとしてしています。意味のないものにも意味を与えて安心感や秩序を感じます。こうした人の性質が、神や精霊の姿を見出し、神話や信仰に取り入れてきたのでしょう。また人は物事を物語として理解する傾向があります。形に意味を見出すことで、それを何かのメッセージかもしれない、と考えたりします。こうした性質は人間らしさの根源のように思います。意味のないものに意味を見出すことで、世界を豊かに感じ、創造し、語り継いでいきます。個人的には空想の原点みたいな気がしております。
今回のお話は、前のblog「ポテンシャルフィールド 環境とのインターラクション」で示した最初の動画とほとんど同じです。こちらも是非見てください。その映像にblur TOP(ぼかす機能)をかけて、threshold TOPで閾値判定をして描いた図形の紹介です。このようにして作製した図形を沢山並べたプレートが、今回の表紙の画像です。この図形を見た時、「これは古代文字に似ている」、と思ったのです。そして一つ一つが、人であるとか、怪獣であるとか、動物であるとかを表しているように感じました。それを並べてみたら、古代人の石板を写したように感じるのではないかと思い並べてみました。それぞれ偶然にできた形なわけですが、上述のように何かしら意味を感じます。次の図は「非線形現象の加工・・・」で挙げた砂漠の古代都市の図です。

これと架空の古代文字のプレートとを合わせると、砂漠の古代都市を発掘していたら、古代文字のプレートが見つかった、などと物語ができます。そして、これを解読するとそれは、「プロシージャル3・・・」で示した、怪獣ハリコルゲ復活の呪文だったのです。次にハリコルゲ復活の図を示します。

このように、とりとめもなく、ばかげた話を次々と作っていくことができます。人間は面白いですね。単体で意味の無いことも、文脈の中で語ると意味を持つようになります。まるで魔法のように感じます。
最後に、文字を作製している動画を示します。

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