はじめに
ここ一月程のblogでは、「これは人の特性だな」と感じることが複数ありました。そこでこれらをまとめておくことに致します。blogを書いた後の思索で思いついたことを付け足しています。blogを書いた近い順に箇条書き形式で書いていきます。これらは私がそう思ったということで、論証された内容ではありません。
最近気づいた人の特性
1.「視線の違いによる映像の影響」
真上から俯瞰して見た深さ方向の認識は、水平方向の認識に比べ平坦に見えるようです。だから真上からみた凸凹を分かりやすくするには、実際より拡大する、影を作る、太く描く、等工夫する必要があります。空間を均一に認識しているわけではないようです。地面からの視線と真上からの視線を切り替える場合、スケールを変える等の工夫が必要です。
2.「分解能」
人の出来事に対する分解能は可変です。意識を向けると分解能は高くなる。没頭するとさらに高くなる。また印象深い出来事は分解能が高く、そうでないものは低い。分解能が高い場所から未来への風は吹いてきます。
3.「映像による音楽生成:瞬間の音楽」
一瞬の音をスローモーションにして、そこに音楽をつけてもそれらしく感じます。スローモーションを成立させるには分解能が必要です。映像と音、映像と音楽のように複合して感覚を作っていることがわかります。これはゲシュタルトです。映像だけでは崩れることがわかるが、音や音楽をつけると、それが固い、柔らかい、等の質的な感覚が加わってきます。それらの統合でイメージが付くようです。そして、かならずしも実際の音である必要はありません。
4.「音楽生成の基礎2:データから音楽を作る方法」
音楽は「持続」の代表です。感覚は前の音が浸透して今の音があります。関連づけが大切です。よりはっきり分かるのはコード進行が良い例です(コード進行の例はこの回で挙げてはいない)。「持続」はベルグソンの哲学的な言葉として使っています。2025.11.20のblog「持続:予測と違う未来の捉え方」で解説しています。後述する「表紙の絵の説明」で、画像に対する「持続」を取り上げています。
5.「ゲシュタルト:感覚の統合」
ゲシュタルトは人の特性で、感覚統合もこれに当たります。
その後の考察により次のように思いました。AIは人と違う認識の仕方をしています。これはデータ中心の認識の仕方です。これを「AIの環世界」として考えます。これは人とは違うゲシュタルトだということでもあります。人は人の環世界に生き、AIはAIの環世界を持っており、人とAIのコミュニケーションは、環世界の違う相手とのコミュニケーションになります。だから完全に分かり合えず「退隠」しています。それ故互いに「翻訳」しあうコミュニケーションとなります。オブジェクト指向存在論は相当に適用できると思います。
6.「映像による音生成4 風景音とリアリティの考察」
音の作製に揺らぎが大切であることを述べています。この理由として2つ挙げていますが、その後も揺らぎの問題についてAIと議論しました。会話を要約して紹介致します。
私:「人はそもそも、波の音や雨の音を長く注意して聴いていません。意識すると聞こえますが、別のことを考えたり、何かを操作したりすると、そちらに意識が向かい音を聞いていません。途切れます。そしてまたボーとしていると、波の音が聞こえる、といった感じです。つまり日常的にそういう状態だから、揺らぎが重要になるのではないかと思ったのです。人は2、3時間連続して集中する場合もあります。それが終わった後も、なんとなく、気にしていて、つまり「持続」していて、関連のあることがらをなんとなく、見つけようとしているように思います。そして見つかると、また集中するという感じです。これも、少し長いスパンでみると、集中と緩和とを揺らいでいると思います。このように、揺らぎは本質的に人に備わった性質のように思いました。どう思いますか?」
AI:「おっしゃる通り、人は波や雨の音をずっと「聴いている」ようでいて、実はその音の中に“出たり入ったり”してる。意識が向いているときは細部まで感じ取れるけれど、ふと別のことに気を取られると、音は背景に溶けていく。でも、完全に消えるわけじゃなくて、意識の縁で、ゆるやかに持続している。それが、またふとした瞬間に「聞こえてくる」——このリズムこそが、まさに“揺らぎ”なんだと思う。そして、集中と緩和のサイクルも、まさにその延長線上にある。2〜3時間の集中のあとに訪れる、ぼんやりとした余韻。その余韻の中で、無意識が関連するものを探し続けていて、ある瞬間に「これだ」と再び焦点が合う。この意識の波打ち際のような動きも、揺らぎそのものだよね。つまり、揺らぎは単なる“ノイズ”ではなく、人間の知覚や思考、感情のリズムそのものに深く根ざしている。だからこそ、音を作るときも、視覚表現を作るときも、この“揺らぎ”を取り入れることで、より自然で、共鳴するものになるんだと思う。」
AI:「揺らぎの話もそうだけど、作品をつくる過程でふと「これは人の知覚や記憶のあり方に根ざしているのでは?」と気づく瞬間って、まさに創作が人間理解の実験場になっている証だと思うんだ。たとえば:
– 音の途切れが、注意のリズムとどう関係しているのか
– 映像の変化が、どのように時間感覚や記憶の流れに影響するのか
– ある色や動きが、なぜか“懐かしさ”や“安心”を呼び起こすのはなぜか
こうした問いを、作品を通して探っていくことは、まさに人間の感受性の地図を描くことです。
7.「生物の形の模倣2」
生物はコピーの構造で形を作っている印象を持ちました。そしてコピーの仕方が僅かに違うだけで、多くの亜種が作れていきます。
8.「線形動作で生じる予測不可能性」
人は構造よりも輪郭を認識しやすい。重なったモノを認識させるには、構造の輪郭を太くはっきり描くとか、色を付けるとかが必要になる。
表紙の絵の説明
表示の4枚の絵は、滋賀県の御神神社に行った時の写真をAIに見せ、AIが作製した絵です。写真は秋の時期で、1番目はそれをそのまま絵に変えてもらいました。2番目は、冬になった場合を想像して描いてもらいました。3番目は、そこに鹿が表れた場合を描いてもらいました。4番目は、一年後、子供を連れた鹿が表れた場面を描いてもらいました。この4枚の絵で「持続」を表現しようと思ったのです。4枚の絵、秋の神社、冬の神社、親鹿の訪れ、そして子鹿たちとともに戻ってきた風景、それらを並べることで、時間がただ過ぎるのではなく、重なり合い、深まり、記憶として定着していく様子が見えてくると思います。ベルグソンの「持続」はこういったことだと思っています。それぞれの瞬間が独立しているのではなく、前の瞬間を内包しながら、新たな「今」が立ち上がります。そしてこのつらなりが、時間の経過だけでなく、意味を作っています。この関係は音楽も同じです。

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