生物の形の模倣3Copy再び:POPを試す3

copy

はじめに

2025.12.24のblog「Copy:生物の形の模倣1」では触手のような針状のオブジェクトと円の上半分を扁平化した形状の各ポイントにcopyし、それを球の上半分の平面の書くポイントにインスタンシングしました。このようにcopyを繰り返すことで、生命に似た形状を作ることができることを示しました。その背景には生物がcopyを繰り返して自身の体を形成しているのではないかという推測がありました。2026.01.23「生物の形の模倣2」では、同じ構造ですが、copyする方向を少し変える例を作製しました。わずかな違いで異なる形状の亜種が作れることを示しました。このように生物の形状を真似る方法として。copyを繰り返す方法は有効に思います。しかしTouchDesignerの旧バージョンではCPUで計算するため、copy SOPは計算負荷が高く複雑なものは向いていません。新しバージョンではPOPと呼ばれるオペレータ群が加わり、copy POPはGPU演算となり強化されています。バージョンを移行しないといけないと思った理由はここにありました。いよいよcopy POPを使って少し複雑な生物の形状を作製してみます。

POPを使ってcopyを試す

最初に述べる例は、copy POPを繰り返し使い、動きを確認した程度の内容です。その映像を見ていただきましょう。

真綿がゆらぐような、柔らかい映像ができました。音は、2026.01.06「「音生成の可能性」と「映像による音生成・改」」、で用いたホワイトノイズから作製する方法で付けています。映像作製の主要部分が次の画像です。

pattarn CHOPで揺らぎのデータを作ります。y軸に少しオフセットを作っておきます。chop to POPで3Dに変換します。これで空間に揺らぐ線ができます。最初のcopy POPは揺らぐ線をy軸の周りに配置するcopyです。copyによって揺らでいる円筒状のような形を作りました。2回目のcopyは、この作った揺らいでいる円筒状を元の揺らぎの線を構成するpointに対してcopyしています。3回目は2回目のcopyで作った形状を、最初の揺らぎの線のpoint対して再度copyしました。要は、元の形に対してcopyして作ったものを、copyしていくという再帰的操作です。作製したオブジェクトの上の部分をカメラで観察したのが最初の動画です。このようにcopy POPを使うと、copyを繰り返し使い複雑な形状になっても、パソコンが動かなくなったりしないことがわかりました。勿論これは程度問題です。copyは規則を繰り返すわけですから、調和のとれた美しいパターンが作れる場合が多くあります。今回も揺らぎが重なっていくことで、全体的に調和のとれた美しい揺らぎが形成できました。

生物の形の模倣

blog「Copy:生物の形の模倣1」では、生物っぽい形を作ろうとしました。架空の生物の形です。今回は何かある生物を真似てみようと思いました。比較的単純な形の生物を探した所、ヒドラという生物がいることがわかりました。ここではヒドラがどういう生物であるかは問題にしません。「ヒドラのような形をcopyによって作ってみよう」、というのが課題です。次の図はヒドラの写真です。「https://www.sci.keio.ac.jp/gb/FE14F344/5DFBEB7B/FA704804.jpg」から得ました。

次にこの画像を見て、copy POPを使って作製した映像を示します。

動きは私がかってにつけたもので、実際のヒドラがどういう動きをするのか知りません。そこそこ似た形が、copyから作れることが分かりました。「生物はcopyして形を作っているのであるまいか」、という推測が増々ありそうに思えます。音楽はドドドドドドと響く音を入れています。この響く音はアナログシンセのDark Energy2の音です。久しぶりに使ってみました。いい感じです。背景の音は良く使っているRolandのT-8の音です。それではプログラムの中心部分を説明致します。ヒドラの形は、シイタケの傘の部分に相当する触手と、茎の部分と、傘と茎との間の接続部分、とを分けて作製し、合成しました。次の画像は茎に相当する部分です。

pattern CHOPで揺らぎのデータを作り、chop to SOPで3Dの線状の揺らぎに変換します。この揺らぎの線を中心にして、断面をcircle SOPで作った5角形の揺らぐパイプに変換するのが、sweep SOPです。この機能がPOPに見当たりませんでしたので、SOPで作製しました。この揺らぐパイプをsop to POPでPOPに変換しています。この揺らぐパイプをy軸方向に回転させながらcopyしていきます。これが1回目のcopy POPです。作製した揺らぐパイプを構成するpointに対して、sphere POPで作製した横長にした球状の形状をcopyするのが、2回目のcopy POPです。パイプは立体ですので構成するpointの数は多く、これは計算負荷の高い操作です。しかしPOPにすることで難なくできました。
次の画像は傘と傘(触手)と茎との接続部分を作製するプログラムです。

傘の部分を説明します。ここでも揺らぎはpattern CHOPで作製し、chop to POPで3Dの揺らぐ線に変換します。揺らぎの線のpointにsphere POPで作製した球を変形した形状をcopyします。これが3回目のcopy POPです。茎の部分も同様にして作製ます。4回目の copy POPです。これらは線のpointに対してcopyしていますので、茎の部分ほど高負荷ではありません。最後にgeo COMPを使って合成しています。
茎の部分と傘及び接続部分の色とを変えていますが、これはそれぞれphong MATを使って付けました。「Copy:生物の形の模倣1」では部分を分けて作製していません。今回は部分毎に作製して合成することを試してみました。印象としては相当に複雑な形状もcopyで作れると思いました。
最後に作製したヒドラをgridにインスタンシングして複数配置することを行いました。これが次の映像です。

インスタンシングは1度しかできないので、ヒドラの形状の合成はmerge POPで行いました。この場合、茎と傘及び接続部分の色はatrribure POPを使って付けました。相当に複雑な形状でありますが、インスタンシングもスムーズにできました。

まとめ

copy POPを使って生物の形状を模倣してみました。POPを使うことである程度複雑な形状も十分に作製することができることが分かりました。また作製していて、本物の生物もcopyを多用しているのではないかと思う気持ちが増しました。またヒドラの作り方で同様にクラゲの形も作れるでしょう。実際には全く異なる生物が、形としては同様な構成でできるといったことは興味深く思います。形を作る構成からの視点は、異なるオブジェクトに対して共通の見方を提供することにもなります。

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