工学と文学あるいはアートとの往来2

プロシージャル

はじめに

2026.05.22の「工学と文学あるいはアートとの往来1」では、微分方程式の相空間を球体に閉じ込めたり、ストレンジアトラクターを大地の上に描くことで、想起されるイメージが数学や工学から文学やアートへ相転移することを述べました。また2026.05.25「モノ側の相転移と人側の相転移」では、現象に対して関係性を意図的に入れることで、同様に、数学や工学から文学やアートへ相転移することを述べました。今回も同じ内容を違った「現われ」を使って述べています。意味的には「関係性」の話で、新しい内容は含まれていません。ただこのようなことは、思いつけば手を動かして直ぐに行うことが大切です。今回の例は、トーマスのストレンジアトラクターに宇宙駆逐艦雪風を絡ませたものです。

捕らわれる雪風

「モノ側の相転移と人側の相転移」では、SDFと雪風を関係付けました。この時すでに、ストレンジアトラクターと雪風とも関連付けれるのではないかと思っていました。今回はこれを行った内容です。それでは作製した映像を見てください。

確率共鳴状態にしたトーマスのストレンジアトラクターの中に宇宙駆逐艦雪風を配置した映像です。ストレンジアトラクターの絡み付く感じが、2領域の間に雪風を入れてみようと思わせました。この絡み付く感じに注目した所が私の志向性が変わった所でしよう。
次の映像はカメラの視点を変えた映像です。

絡め取れれている感じがよくでています。

絵画の分野では「図と地」という表現があります。「図」は注目されるオブジェクトで「地」は背景のことです。「モノ側の相転移と人側の相転移」の雪風とSDFとの関係は、「図と地」の関係が分かりやすく表されています。そもそもSDFはSigned Distance Fieldですから場です。この上にオブジェクトがあることは自然でしょう。ストレンジアトラクター自体はオブジェクトとして見えます。これをSDFに変換すると場になるので「地」として使う志向性が生じます。今回はオブジェクトとしてみなしてきたストレンジアトラクターを場(地)と「図」の中間に位置付けれたことが、志向性が変化したところです。恐らくこれは、「工学と文学あるいはアートとの往来」の時に、地面に描いたストレンジアトラクターを拡大縮小していた経験が、アトラクターの伸びる形状が触手のように感じさせ、拡大した時に場として働くことをイメージさせたのではないかと思います。「包む」とか「絡む」、「捕らえる」というのは場とオブジェクトと中間的な位置に対応しています。このように、オブジェクト(図)なのか場(地)なのか、その中間なのか、と言った位置づけで、志向性が変化することが、今回気づいたことでした。ストレンジアトラクターを「図と地」の中間と位置付けたため、映像を作った際に、より外側の場がいると思ったのでしょう。自然に背景を入れることになりました。これが煙のようにただよっている背景映像です。

まとめ

2領域間を結合するトーマスのストレンジアトラクタ―を触手が伸びてくるように見立て、その中に宇宙駆逐艦雪風を配置しました。雪風が巨大な生物的な何かに捉えられるようなイメージを作りました。「包む」、「捕らえる」、といったイメージは、あえていうなら、地と図の中間的なイメージです。スケール感で、「オブジェクト同士」、「地と図」(オブジェクトと場)、オブジェクトと「場とオブジェクトの中間」、との関係ができ、それに応じて志向性が自動的に変わります。
元々雪風は2025.08.09「偶然性」で書いておりますが、偶然にできた形です。これが本来なら何の関係もない微分方程式の相空間と結びつきました。このような現象が人の持つ面白さだと思っています。オートポイエーシス的です。

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