はじめに
暫く場を扱ってきました。そこで「空間にポイントを置く」ことと、「場にポイントを置く」ことの違いを確認しておこうと思いました。特に「場にポイントを置く」場合は、これまで個別に述べてきた、SDFのベクション表示とストレンジアトラクターとを共通の概念で捉えることができます。
空間にポイントを置く
これはx,y, zの空間にポイントを置くことです。このポイント(粒子)を動かすには、forceを与えます。このforceに従って移動します。また各ポイント間には関係性を与えることができます。もともと三角形の頂点であったとかです。また各ポイント間には特別な関係を与えることもできました。例えばspring SOPがそれで、バネで各ポイントは結ぶことができました。各粒子が動く状態にともなって、在る条件下で作用するforceを与えることもできました。例えばmetgaball SOPを作用させることです。これは擾乱の一種でした。このようにして漂うポイントの動きを作ることができました。例えばこの例は「擾乱を伴う反復系」です。この代表は2025.08.22のblog「ポストモダンと「擾乱を伴う反復系」1」です。この時の映像を再録致します。
「細い線状の束」は、600ポイントで構成されており、50離れた12個のポイントを選択して、その各位置が時間的に連続するように、13個時間をづらして描いたのが青い球状の動きでした。
場にポイントを置く
一方、ここ2カ月程で行ってきたことは、「場にポイントを置く」ことでした。そして2つの置き方を扱ってきました。一つはSDF(Signed Distance Field)の場にポイント置き、それをベクションで表示する方法。もう一つは、ポイントを空間全体に置き、それを微分方程式に従って動かす方法です。微分方程式には2階の線形微分方程式とトーマスの非線形微分方程式を扱いました。ここで重要なのは、「現われ」として見えているのはポイントの動きである、ベクションであり、微分方程式の動きでした(相空間上に描いたアトラクター、ストレンジアトラクターのことです)。これらの背後には場ができており、その場に従って粒子(ポイント)の動きを見ています。背後に場があり、それに従って動いているということが、ベクションやアトラクター、ストレンジアトラクターの共通点です。「現われ」として見えているのは粒子ですから、場が作る谷では吸い寄せられ、尾根では避けるように動き、渓谷では流れが集中して見えます。地形のような構造が背後にあるのが共通点です。ストレンジアトラクターが奇妙な形をしているのは、この地形が奇妙な形をしているからです。SDFの場は「距離に応じた地形」を作っており、それをベクションとして見ています。つまり粒子の動きは地形の形で決まっています。
これまでも、「空間上にあるポイントの動き最初につくり、それに対してSDFの場を適用し、ベクションでその粒子の動きを見る」、ことを行ってきました。2026.04.16のblog「場を利用したベクションの表現」がそれに当たります。今回は空間の動きと場の動きを重ねて表示することを思いつきました。例として先の「空間にポイントを置く」で示した映像である、「擾乱伴う反復系」(通称:人工生命)の細い線状の束を構成しているポイントから12ポイントを選択した位置に、sphareを当てはめ、SDFを作り、これをベクション表示で見ることに致します。つまり空間上を動く、人工生命のポイントからSDFを作り、それをベクション表示します。行っていることは、「場を利用したベクションの表現」と同じです。あえて違いをいうと、人工生命は自律して動く系ですので、場も自立した系となり、それをベクションで表示することなります。自律して動く、という点が違いです。それでは映像を見てください。
「細い線状の束」とSDFを重ねて表し、マウスを追っかけるように動いています。漂う「人工生命」とは違ったイメージが立ち上がります。人工生命は線で描いていたわけですが、それに対して場に沿って動いている様子を重ねています。
まとめ
空間を自律的に動く「擾乱を伴う反復系」(人工生命)を構成するポイントにsphareを当てはめたSDFを作製し、ベクション表示致しました。これにより自律的に動く場を作製し、それをベクション表示することができました。空間上での動きが場に変換され、それを同時に見ることができます。「現われ」の背後に何があるのか、というように、退隠された奥行に興味がそそられます。

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