粒子を使った伝搬モデル6:粒子による痕跡

particles

はじめに

粒子をビーム状に放出し、ある場所に到達すると、そこから更に放出する話や、ビームを曲げる話を「粒子を使った伝搬モデル1~5」で行ってきました。これを場に変換したいな、と思っていました。今回、2026.08.29の「粒子を使った伝搬モデル3:粒子を曲げる」を利用して、これを”場”に変換します。行っていることは、2026.08.20の「force radialによる”場”の形成」と同じです。違いは「force radialによる”場”の形成」では、metaball SOPとforce SOPを使ったコントロールを行っていません。今回はこれらのコントロール機能が入ります。Monogokoroでは、「痕跡」というテーマを持っています。何かが動いた時にその動いたことをどう残すのか、どう印象付けるのか、を課題としたテーマです。コントロール機能を加えることで、「痕跡」に関係付けれると思いました。もう一つの観点は粒子を放出する場合に、partcle SOPの第3インレットのForceにつなぐか、第4インレットのAttractorsに繋ぐのかで粒子の振舞が大きく変わります。これによって”場”も大きく変わります。どのように変わるか試してみました。

粒子による痕跡:Forceの利用

まず作製した映像を見て下さい。

映像の左上に粒子の動きを描いています。これは「粒子を使った伝搬モデル3:粒子を曲げる」で使ったプログラムを痕跡が分かりやすくなるように少し変更したものです。粒子とメタボールの配置との関係は次のようになっています。

A,B,C,Dはそれぞれmetaball SOP ー> transform SOP ー> force SOP ー> delete SOPで構成されています。これがparticle SOPの第3インレットのForceに接続されています。force SOPによって粒子に力を加え曲げています。そして四角形の溝ができた後、ゆっくりと痕跡が無くなっていきます。このように段階的に四角形の溝を作り消すのがコントロールです。コントロールは主にdelete SOPをon/offすることで行っています。
映像では放出された粒子のビームに従って、平面的に作製した粒子から、その部分を空間に放出することで排除し、溝を作ります。プログラムとしては、まず粒子のビームを作り、force radial POPで場に変換しビームの部分を排除、geo COMPで2次元化、それをmapに変え、pbr MATを使って仮想的に3Dに見せています。ビームに従って排除されていく”場”も元々粒子で作製しているため、映像ではそれがブツブツの粒子になり、粒子は生成消滅し、force radial POPによって動くため、ブツブツが動くように見えるのが特徴です。2026.01.05の「痕跡4」を見ていただくと、似ていますが、粒子を利用してることが表現の違いになっていることがわかります。興味を持ったのは、「force radialによる”場”の形成」との比較です。この時の映像を以下に再録致します。

これとプログラムとしては同じことをしているのですが、スパイラルの場合は人は無意識に動きを予測し、その通りに描いたように感じます。これに対して、最初の映像は急に溝ができ、オーみたいな印象があります。どちらも動きがあるのですが、溝を描くスピード、線を描くタイミングに待つ時間を入れたこと、が別の印象につながったと思います。これらもコントロールです。
また、ビームを消すと元の粒子に戻るわけですが、これは2025.11.30「衝突問題の基本」で示した、粒子の排除と戻りの問題と同様です。この時の映像も再録致します。

このプログラムは色を使ってベクトル計算をしています。人によると思いますがこれは結構難しいプログラムです。これに対して粒子の平面に対してforce radial POPを使って、動きがある部分の粒子を排除する今回のプログラムは簡単です。これはPOPが使えるようになったためできるようになった方法です。行っていることは随分と違いますが、同様な効果を容易に得ることができます。

粒子による痕跡:Attractorsの利用

上記の粒子のビームはmetaball SOPとforce SOP, delete SOPに系列をparticle SOPの第3インレットfoceに接続していたのですが、これを第4インレットのAttractorに繋ぎ変えた場合について述べます。その部分のプログラムが次です。

粒子の放出のイメージは次のようになります。

随分と様子が変わります。映像を次に示します。

一変して秩序が無いように変わります。それでもA, B, C, Dがオンになるにつれて粒子が乱れる状態が広がっていくことはわかります。粒子の様子は映像の左上に表示しています。Forceに繋ぐ場合は、force POPは関係しており、ここで粒子に力を与える方向を決めます。つまりベクトルです。この与えるforceの方向を変えることでビームが曲がったのです。一方Attractorsに接続する場合は、metaball POPもforce POPは関係ありません。metaball POPの変わりにsphare POPでも動作します。Attractorsを使う場合、ここに接続される図形の各ポイントが吸引口になります。force SOPのように力をベクトルで与えたりはしません。例えばparticlal SOPの第1インレットPartical Sourceに入力する図形より、少し離れた所に大きい球があるとすると、その球の各ポイントに球の法線方向に方向を持った吸引口ができることになります。このため、放射口の正面に吸引口がある部分では真っすぐに向かいますが、例えば球の裏側の吸引口に向かう粒子もあります。この場合は放射口から広がって粒子は動き、裏側にある吸引口に吸い込まれます。このため粒子は随分と広がった動きになります。球のサイズを小さくすると、粒子はそこへ収束するように吸い込まれることになります。このためAttractorsに繋げても粒子ビームを作ることができます。しかしforceが働かないので、曲げることはできません。今回の場合は、画像で示した球を構成する各ポイントが吸引口になるため、原点から面で放射した粒子は複雑な経路になります。この結果Forceに接続した場合と随分と違う映像となりました。何かが動いているがそれがわからず、何だろうという感じです。Attractorsを使う場合は、球のサイズと配置する場所によって粒子を制御することになります。近い内に簡単な例を作りたいと思います。

まとめ

平面状にある粒子から、放出した粒子近傍の粒子をforce radial POPによって飛び散らせることで排除し、溝を作製しました。放出する粒子の軌道をコントロールすることで、痕跡を描くことができました。またparticle SOPのAttoractorsに接続することで吸引口を多く作製し、放出する粒子の軌道を広げることで、何かが動いているような動的な映像が作製できました。

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