はじめに
今回のblogは整理しておくという意味の内容です。新たな技術紹介ではありません。2026.05.12のblog「ストレンジアトラクターを使った確率共鳴」で、生物が確率共鳴を使った検出を行っていることを述べました。この現象が高感度なセンサに繋がる可能性は予測できます。一方「ストレンジアトラクターのコントロール」シリーズで、軌道が様々に変化できることを述べました。これを利用した応用として、信号の伝搬(コピー)に使う、通信のコンスタレーションに使う、可能性を示しました。先先回「ストレンジアトラクターのコントロール5」を書いていて、応用例として微小信号検出について、まだ明示的には述べていないな、と思ったのです。そこで今回、これを示しておこうと思いました。ストレンジアトラクターを使った、信号の伝搬(コピー)、通信のコンスタレーション、今回の微小信号検出器、いずれも現実のモノではありません。私の空想です。
微小信号検出器としての確率共鳴
まず映像をみてください。
これまでと同じように見えますが、左上にnum=*の表示があります。これは、2つの領域の間に立方体があり、そこに入る粒子の数を数えています。確率共鳴となり、2領域間を相互に移動する時にカウントされます。領域に入った粒子を数える方法は、group POPを使います。group POPで領域を定め、pop to DATで領域に入った粒子をリスト化し、その数を表示しています。プログラムでこれまでと違うところは、この他2か所あります。ストレンジアトラクターのパラメータbに関係する部分です。bが0.197以下になると、粒子は領域間を行き来します。bの値を決めるのは、これまで信号sine波とnoiseでした。基本同じですが、信号は矩形波にし、この矩形波の振幅で、2領域間を行き来する直前の状態を作ります。これが言わばキャリブレーションに相当します。つまりセンサが使われる環境で、行き来するぎりぎりの状態に持っていきます。noiseを入れていた部分に、検出信号が入ることを想定しました。今はrandam noiseを加工してDC値を作っています。この値は-0.015~0.01で揺らいでいます。矩形信号が負になり、且つこの信号が入る時にのみ、粒子は行き来できます。センサーはゆっくりとDC値で揺らぐ出力を想定しました。具体的には電波センサです。電波センサは一般的ではありませんが、私が研究していたデバイスです。例えばサメが海底の砂に隠れている生物を検出するような場合、電波センサが使われています。サメの顔は尖っていますが、尖った部分に無数の電波センサがついています。砂に隠れた生物のいくつかは、非常に弱い電磁波を纏っています。自分で電磁波を作っているのです。この電磁波を砂ぎりぎりのところを泳ぐことで検出し、砂の中に隠れている生物を捕食します。今回はまず、測定環境で確率共鳴が起こる直前まで感度を高めておいて、そこに信号が入力されると、領域間を遷移する粒子が現れ、それを数えることで存在を見つけるイメージです。電波センサの他の使い方は、電波を観測領域に放出しておきます。そこへ人でもモノでもいいですが、動く何かがあると、動きによって電波が揺らぎます。この揺らぎを検出する場合もあります。
まとめ
ストレンジアトラクターを描けるようになった後、応用を考えようとしてきました。現在のところ、粒子軌道を真似ることによる情報の伝搬、通信のコンスタレーション、そしてセンサ信号の検出があるように思っています。これらは全て空想です。実際に作られた例はありません。
表紙はTouchDesignerを使い始めたころの練習に作った映像です。海底を這う生物をイメージして作製しました。岩の間に潜む生物の出す電磁波を検出して捕食する、ということを今回後づけで思いました。

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