ストレンジアトラクターのコントロール2:状態遷移

微分方程式

はじめに

先回の「ストレンジアトラクターのコントロール1:修正」では、原点にmetaballを配置して、ストレンジアトラクターをコントロールしました。トーマスのストレンジアトラクターの形状を見ると、当然頂点にmeataballを配置した場合どうなるだろうと思うでしょう。今回はそれを紹介致します。またmetaballを押し出す方向と力を調整し、素早い状態変化を可能にしました。
前々回の「ストレンジアトラクターのコントロール1」ではmetaballの位置が中心からずれていました。この場合のストレンジアトラクターを観察すると、特異な状態がありました。この現象も有用な予感が致します。その可能性について言及致します。

頂点にmetaballを配置した場合

まず映像を見ていただきましょう。

明確に2つの領域が在る場合と、上下それぞれの領域になる場合とをコントロールできていることが分かります。先回よりも素早く状態を作ることができています。違いはmetaballの位置と力の大きさと方向です。ストレンジアトラクターの頂点にmetaballがくるようにしています。青色の球の表示が出る場合がWeight = 3で、青白い場合がWeight = -3です。球の表示が無い時はWeight = 0です。大きい球が表示されている場合は半径6、小さい球は半径2.5です。粒子を弾く力はWeightと半径に比例しています。ですので、大きい球の場合は一度に、アトラクターを片側へ吹き飛ばしています。小さい球の場合は、一部を吹き飛ばします。粒子を動かす力の方向は、metaball SOPの後のTransform SOPのRotateで決めます。次の図にgrid平面を表示していますが、このようにアトラクターの両側が対象になるように平面を決め、その値をRotateに使うことで平面に垂直に力が作用します。今回の場合、x,y,zに対する回転角は-30°, -45°, 0°でした。

どのパラメータをどう変えればいいのかが、ようやく掴めるようになってきました。今回の映像のように、metaballを使うことで、ストレンジアトラクターの状態をコントロールすることができるようになりました。表紙の画像に主な状態をまとめておきました。

中心からオフセットがある場合のアトラクター

先々回の「ストレンジアトラクターのコントロール1」では、metaballの位置にオフセットがあることを気づかずに行っていました。この結果を再度みていると、重要な現象が見て取れます。次の図にそれをまとめています。

Weight=0では、スタンダートな2領域の状態になっています。これはストレンジアトラクターでカオス状態です。またWeight=-3の状態も、領域は一つになっておりますが、ストレンジアトラクターでカオスです。しかし、Weight=3の時、安定して閉じた輪になっています。つまりこれは単振動の発振状態です。これはカオスではありません。つまり、カオスから単振動の状態、あるいはその逆に変化させることができているのです。これは相転移です。偶然ですが、metaballの位置によって、相転移させることができることが分かったのです。相転移させる方法や条件を今の時点で掴んではおりませんが、可能なことは分かりました。これらを合わせると、カオスか単振動か、カオスなら3つの状態、をコントロールできるようになるでしょう。

まとめ

ストレンジアトラクターの非線形微分方程式を解くフィードバックの中にmagnet SOPを入れ、metaballによって状態をコントロールできるようになりました。先回までの中心にmetgaballを配置する構成でなく、極に配置し、作用する力と方向を調整しました。その結果より早く状態遷移を行うことができるようになりました。またカオスと単振動とを切り替えれる可能性も見出しました。

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